電子会計(Contabilidad Electrónica)の概要と提出方法
1. はじめに
メキシコでは、すべての法人に対して電子会計(Contabilidad Electrónica)の提出が義務付けられています。これは会計帳簿データを電子形式(XML)で作成し、税務当局(SAT)へ毎月送信する制度で、税務の透明性を高めることを目的としています。
2. 電子会計の概要
- 対象者:すべての法人、一定規模以上の個人事業主。
- 提出内容:勘定科目表、月次仕訳帳、補助簿などをXML形式で提出。
- 提出方法:SATの電子プラットフォーム(Buzón Tributario)を通じて送信。
- 電子署名:e.firma(電子署名証明書)が必須。
3. 提出の流れ
- 会計システムでXMLファイルを生成:勘定科目コード、仕訳データを含む形式に整備。
- SATポータルにログイン:Buzón Tributario経由でアップロード。
- 確認通知を受領:受付確認のXMLを保存し、帳簿保存義務とあわせて保管。
4. 実務でのポイント
- 提出期限:原則として翌月の最終営業日まで。
- 帳簿との整合性:CFDI(電子請求書)と仕訳データを正しく突合すること。
- エラー対応:形式エラーがあると受理されないため、会計ソフトでの事前チェックが重要。
まとめ
電子会計は「単なる電子化」ではなく、SATが取引を把握する重要な税務管理制度です。基礎としては、XML形式での毎月の提出義務、e.firmaを用いたオンライン提出、そしてCFDIとの整合性確認を押さえることが不可欠です。
本記事は「日本企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。
