勘定科目表(PUC)の基本構成|日本とのマッピング方法

1. はじめに

本稿は、メキシコ子会社の勘定科目表PUC(Plan Único de Cuentas)/カタログ(Catálogo de Cuentas)の基本構成を押さえ、日本本社の勘定科目とのマッピング手順を入門レベルで整理します。連結・本社報告の整合性を確保する起点となるテーマです。

2. 勘定科目表(PUC/カタログ)の基本構成

  • 階層構造:大分類(資産/負債/資本/収益/費用)→ 中分類 → 小分類のツリー構造。
  • コード体系:桁ごとに意味を持たせ、上位桁で大分類、下位桁で明細を表現。
  • 運用原則:一貫性・網羅性・重複排除。科目新設は承認フローで統制する。

3. 日本科目とのマッピング手順(入門)

  1. 現行PUCの棚卸:主要科目・補助コード・使用頻度を一覧化。
  2. 本社チャート(JGAAP/IFRS)収集:連結パッケージの科目・メモコードを確認。
  3. ルール設定:一対一/多対一/一対多の方針を定義(多対一が基本)。
  4. 試行変換:過去1~3期のGLを試行変換し、差異・欠落を洗い出す。
  5. 固定化:マッピング表を版管理(バージョン付与)し、改定手順を明文化。

4. 簡易マッピング例(イメージ)

税区分別売上を日本側で集約する多対一の代表例:

  • メキシコ側:Ventas IVA 16%Ventas IVA 0%Ventas exentas
  • 日本側:売上高(※税区分の内訳は補助明細・サブレジャーで保持)

5. よくあるギャップと対処(基礎)

  • 消費税/IVAと売上区分:課税16%・0%・非課税の売上を日本の売上科目に集約、税区分は補助で保持。
  • 給与関連:福利厚生・法定給付(PTU等)を日本側の人件費内訳へ正しく配賦。
  • 固定資産:資産区分・耐用年数差による粒度差は補助簿で整合。

まとめ

PUC(Plan Único de Cuentas)は連結・管理会計の共通言語です。入門段階では、科目階層とコード設計を理解し、マッピングを「ルール化・版管理」することが最も重要です。

本記事は、Miranexus Visionary Partner S.A. de C.V.(MVP)が「日本企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。

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