SATマイページ(Buzón Tributario)の基本機能|通知・申告・証憑管理の要点
はじめに
Buzón Tributario(ブソン・トリブタリオ)は、メキシコ税務当局SATの公式オンライン窓口です。企業や個人は、このシステムを通じて 税務通知の受領、申告・納付、各種資料提出や問い合わせ対応 を行います。通知は「到達した時点で効力が発生」するため、毎日の確認体制が欠かせません。本稿では、Buzón Tributarioの基本機能と、実務で最低限押さえるべき運用ルールを整理します。
サマリー
- 通知は到達時点で効力発生(開封有無は問わない)。毎日の確認体制が必須。
- 申告・支払・照会回答はブソン中心。CFDI・台帳・契約・支払証憑の「四点セット」を整備。
- e.firma/CSDの期限管理・権限棚卸を定例化し、担当不在・権限スパrawlのリスクを回避。
制度・機能
- 電子通知:更正、照会、是正勧奨、差押え予告等を受領。
- 申告・納付照会:ISR/IVA申告や還付申請の進捗確認。
- メッセージボックス:資料要求への電子回答、添付送信。
- 権限管理:代理人や担当者の登録・失効。
- e.firma / CSD管理:電子署名やCFDI用証明書の状態確認・更新。
誤解と正しい理解
- 誤解:「通知は開封しなければ効力がない」→ 到達で効力発生。
- 誤解:「代理人登録すれば安心」→ 権限棚卸を怠ると不正リスク。
チェックリスト
- 毎日Buzónを確認しているか。
- e.firma/CSDの有効期限を把握しているか。
- 代理人や担当者の登録を最新化しているか。
- 通知・申告記録を社内保存しているか。
まとめ
Buzón Tributarioは、SATとのやり取りをすべてオンラインで行うための「公式マイページ」であり、以下の3点が運用の核心です。
- 通知確認:開封の有無に関わらず効力が発生するため、毎日チェックが必須。
- 証憑管理:申告・納付・還付申請・資料提出はすべてBuzón経由で行われ、CFDI・契約・台帳・支払証跡を揃えて対応。
- 権限と署名管理:e.firma/CSDの有効期限と、担当者・代理人の権限棚卸を定例化してリスクを防ぐ。
単なる便利ツールではなく、法的効力を持つ公式窓口であることを意識し、組織内での運用ルールを整備することが税務リスクを回避する最大のポイントです。
本記事は、「日系企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。
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リソース
SAT公式 Buzón Tributario:https://www.sat.gob.mx/ (参照日:2025年9月25日)
CFF第29条・第29-A条・第31条
LISR・LIVA関連規定
