IMSS(社会保険制度)の仕組みと基本加入義務
はじめに
メキシコの社会保険制度(IMSS: Instituto Mexicano del Seguro Social)は、労働者の医療・年金・労災などをカバーする重要な仕組みです。本記事では、日本企業や駐在員が知っておくべきIMSS加入の基本ルールを整理します。
サマリー
- IMSSはすべての雇用関係にある労働者(有期・無期、フルタイム・パート含む)の加入が義務(LSS第12条)。
- 会社は採用後5日以内に加入手続きを行う義務(LSS第15条)。
- 給与計算では統合日額賃金(SBC)を基礎に保険料を算出(LSS第27条)。
- 未加入や遅延の場合、罰則や追徴(LSS第304条、CFF第82条等)が科されるリスクあり。
- 外国人従業員も原則加入対象であり、ビザ要件との整合に留意が必要。
制度の詳細
1. 対象者: 雇用契約を結んだすべての従業員。試用期間やパートタイム労働者も含まれる。
2. 登録期限: 採用から5日以内にIMSSへ届け出が必要(LSS第15条)。
3. 保険料の基礎(SBC): 固定給、手当、現物給付を含み、残業代や賞与の一部も算入対象(LSS第27条)。
4. 負担割合: 会社と従業員で分担。健康保険・年金・労災・INFONAVITへの拠出が含まれる。
5. 罰則: 未加入や虚偽申告には罰金や追徴課税が科される(LSS第304条、CFF第82条)。
6. 外国人従業員: 原則としてIMSSに加入義務があり、雇用ビザの種類や滞在ステータスに応じて実務対応が必要。
誤解と正しい理解
- 誤り:「パートタイムだから加入不要」
→ パートタイムも対象。 - 誤り:「外国人はIMSSに入らなくてよい」
→ 原則加入義務あり、ビザ要件と合わせて対応。 - 誤り:「加入しなくても見つからない」
→監査で発覚すれば追徴・罰則リスク。
チェックリスト
- 採用後5日以内にIMSS登録を行ったか(LSS第15条)。
- SBCを正しく算出しているか(LSS第27条)。
- 外国人従業員の加入要否を確認したか。
- e.firma・IDSEを通じて電子手続きを完了しているか。
- 未加入・遅延時の罰則リスクを理解しているか(LSS第304条、CFF第82条)。
まとめ
IMSSはメキシコでの雇用管理において必須の制度です。採用から5日以内の加入、SBCに基づく保険料計算、外国人従業員を含めた適切な対応を行うことで、追徴リスクを回避できます。制度の改正や運用変更が頻繁なため、最新情報を常に確認することが重要です。
本記事は、「日系企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。
関連記事:
リソース:
- LSS第12条・第15条・第27条・第304条
- CFF第82条
- SAT公式ポータル:https://www.sat.gob.mx
- IMSS公式サイト:http://www.imss.gob.mx
