在庫評価方法|PERPETUAL方式とPERIODIC方式の違い
1. はじめに
在庫管理と評価は、企業の財務諸表に大きな影響を与える重要領域です。メキシコの会計基準NIF C-4(Inventarios)でも、PERPETUAL方式(継続記録法)とPERIODIC方式(定期棚卸法)のいずれかを採用することが認められています。本稿では両方式の違いを入門レベルで整理します。
2. PERPETUAL方式(継続記録法)の基礎
- 更新タイミング:取引のたびに在庫数量・金額を更新。
- 特徴:常に最新の在庫残高を把握でき、棚卸差異の早期発見に強い。
- 長所:精緻な管理、リアルタイム可視化。
- 短所:ERPや在庫管理システム(WMS)の導入が前提となることが多く、導入・維持コストが相対的に高い。
3. PERIODIC方式(定期棚卸法)の基礎
- 更新タイミング:期間末の棚卸で在庫残を確定。
- 特徴:期中は厳密な残高を把握しづらいが、仕組みは簡便。
- 長所:低コストで導入しやすい。
- 短所:期中の管理粒度が粗くなりやすい。
4. 会計処理上の違い(基礎)
- PERPETUAL:売上・仕入の都度、在庫勘定が直接動く(継続更新)。
- PERIODIC:期中は「仕入」勘定で集計し、期末に棚卸調整仕訳で在庫を確定。
まとめ
在庫評価はPERPETUALとPERIODICの二方式があり、NIF C-4においていずれの採用も認められています。基礎段階では、両者の特徴とコスト前提(ERP/WMSの必要性など)を理解し、自社の運用・体制・レポーティング要件に合致する方式を把握しておきましょう。
本記事は、Miranexus Visionary Partner S.A. de C.V.(MVP)が「日本企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。
リソース欄
- NIF C-4(Inventarios)
