メキシコ電子請求書制度(CFDI)の基礎と実務|発行義務と注意点
1. はじめに
メキシコでは、すべての企業・個人事業主がCFDI(Comprobante Fiscal Digital por Internet:電子請求書)を発行することが義務付けられています。これは税務当局(SAT)が取引をリアルタイムで把握する仕組みであり、適切に対応しないと税務調査や罰則の対象となります。
2. CFDIの概要
- 制度の目的:脱税防止、インフォーマル経済の縮小、取引透明性の確保。
- 発行方法:自社システムまたはクラウドソフトを用い、必ずPAC(SAT認定認証事業者)を経由して発行。
- 保存形式:XMLファイル(法的効力を持つ原本)+PDF(見やすい形式)。
- 電子署名:e.firma(電子署名証明書)が必須。
3. CFDIの種類と発行義務
- 売上CFDI:商品やサービス提供時に発行。
- 入金CFDI:代金受領時に必ず発行。期限は翌月5日まで。
- 給与CFDI:給与・賞与の支払時に従業員ごとに発行。
- 利息・配当CFDI:金融取引に伴う支払時も発行義務あり。
4. 実務でのポイント
- 発行期限の管理:入金後すぐにCFDIを発行できる体制を整える。
- システム対応:クラウド会計やERPとPAC連携を前提にすることで効率化。
- 帳簿連携:CFDIのXMLデータを会計システムに取り込み、仕訳の自動化を進める。
まとめ
CFDIは単なる請求書ではなく、税務署に直接通報される公式証憑です。そのため、発行ルールを正しく理解し、入金・給与・利息などあらゆる取引で確実に発行することが重要です。
本記事は、Miranexus Visionary Partner S.A. de C.V.(MVP)が「日本企業が安心してメキシコで事業を展開できるための知識基盤」を目的に作成しています。今後も実務に役立つ情報を発信してまいります。
